星をめざして

たぶんね キミは本当は パーフェクトなスター

狂愛三部作を深読みしてみた。

Can't stopとCriminalは繋がっているんだよ、と言われても正直しっくりきていなかったこの物語。ただ、一発めぇぇぇぇぇぇぇ!でCan't stopを観たときにイントロで「あっ、照史くんが主人公なんだ」と思った記憶が残っていたままだった。そんな中で昨年12月に発売されたアルバムにCriminalの続編となる曲、Eternalが収録されることとなった。このEternalをはじめて聴いたとき、アウトロで照史くんが自ら銃で頭を撃って死ぬ映像が頭の中で再生されて、ハッとなった。はじまりと終わりがこわいくらい綺麗に繋がった。
 
このCan't stop、Criminal、Eternalはすべてzoppさんに作詞されたもので、この3曲をまとめて「狂愛三部作」と名付けられ、ファンの間でも親しまれている楽曲だ。わたしは、はじまりと終わりが綺麗に繋がった狂愛三部作をもっと知りたいと思い、歌詞を読み取り・音楽を聴きこみ・映像を見こんで作り上げた、現時点でのわたしなりの解釈を綴りたいと思う。
 
※以後、登場人物にジャニーズWESTのメンバーを当てはめてお話しますが、あくまでわたしなりの解釈です。メンバーのだれかが死ぬという内容にもなりますので、気分を害する可能性がございます。ご了承ください。
 
 
 
 
Can't stop 〜序章〜
 
歌:ジャニーズWEST 作詞:zopp 作曲:Takuya Harada/STEVEN LEE/Goldfingerz

Can't stop

シャンデリア 煌めき 宴のざわめき
Feel so lonely こんなそばにいても
Can't even touch 君の存在は 近くて遠い

ヤツがくれた 指輪見つめて
作り笑いした君
ふいに視線 ぶつかる
「助けて欲しい」
そんな目してた

Come to me 伝えたい But I can't tell
抱きしめたい強く But I can't do
連れ去りたい 想いが溢れた

綺麗な愛なんて I don't care
世界が軽蔑したって
この想いを遂げたい
もうCan't stop lovin' you
汚れた愛でも I don't care
狂いそうなくらい君が欲しい
ただ君だけ Can't stop lovin' you

君の手つかんで 屋敷を駆けてゆく
Run like crazy ドアの前で止まる
Come to myself ノブを握り戸惑う心

薬指の指輪 抜き捨て
口を結びうなずく
黒目がちな瞳が
「ついて行くよ」
覚悟告げてた

君に出会って For the first time
愛の意味を知った I can say that
二人なら なにも怖くはないよ

叶わぬ愛なんてないんだ
誰がなに言ったって
この熱は消えない
もうCan't stop lovin' you
命をかける愛なんだ
理屈なんてない これが多分
運命だったんだよ Can't stop lovin' you

Yeah I can be the one for you
Let's go
Can't stop

君は僕の一部
それでいて全部
誰にも渡さない
No one can stop me

汚れた愛でも I don't care
狂いそうなくらい君が欲しい
ただ君だけ Can't stop lovin' you

叶わぬ愛なんてないんだ
誰がなに言ったって
この熱は消えない
もうCan't stop lovin' you
命をかける愛なんだ
理屈なんてない これが多分
運命だったんだよ Can't stop lovin' you

Can't stop

 
 
まず、この曲のイントロでは、吐息・脈打つように早まるビートライン・鼓動、と何かが生まれるような雰囲気を感じ取ることができる。今回は映像から見て照史くんに誰かを操る力が宿る(生まれる)ことを意味していると捉えよう。そして小瀧くんが照史くんに操られたかのように動き出す。
 
シャンデリアや宴、屋敷という歌詞から、この曲に登場する「君」は豪邸に住むお金持ちのお嬢様だと考えられる。1番Aメロの「こんなそばにいてもお嬢様に触れることさえできない僕は一人ぼっちの気分だ。君の存在は近くて遠い。」からCan't stopの主人公はお嬢様が住む屋敷に仕える者であり、2番サビの「叶わぬ愛」からお嬢様とは身分違いだと自覚しながらも好意を寄せている、お嬢様専属の執事ではないかと推測した。この執事が小瀧くんである。
 
「ヤツがくれた    指輪見つめて 作り笑いした君」からお嬢様には婚約者がいることがわかるが、作り笑いしたということはお嬢様自身も望んでいない相手との婚約なのだろう。「『助けてほしい』そんな目してた」は小瀧くんの主観であり、お嬢様の気持ちは歌詞に表現されていないが、おそらく『助けてほしい』は彼女の本望だった。お嬢様もまた、許されないとはわかっていながら執事である小瀧くんに好意を寄せていたから…。
 
1番Cメロでは『助けてほしい』と伝えるような目をしていたお嬢様を見て、小瀧くんがこれまで心の奥に閉まっていた気持ちが湧き上がってきてしまい、自分の理性と葛藤する様子が想像できる。そして遂に連れ去りたい想いが溢れてしまうのだ…1番サビは照史くんに操られていることを知らない小瀧くんのお嬢様への想いだろう。あぁかなしい。
 
2番Aメロでは小瀧くんがお嬢様の手をつかんで屋敷を狂ったように走り駆けてゆく姿が描かれている。しかし「ドアの前で止まる Come to myself ノブを握り戸惑う心」と、突然我に返って戸惑ってしまう。ここで小瀧くんは自分が照史くんに操られていることを悟ったのではないだろうか。今まで心の奥に閉まっていた感情が溢れだした理由も、お嬢様を連れ去った先に待つもの(=自分の死)も。だから"お嬢様を連れ出して何になる?"とまた葛藤しはじめたのだろう。
 
するとそんな小瀧くんの迷いに気付いたお嬢様は自ら薬指の指輪を抜き捨て、口を結んでうなずくのだ。「黒目がちな瞳が『ついて行くよ』覚悟告げてた」これも1番Bメロと同様に小瀧くんの主観ではあるが、お嬢様の本心だと思う。
 
お嬢様と同じ想いであることがわかりお嬢様を連れ出すと決心した小瀧くん。2番Cメロの歌詞はただただ純粋で透きとおっていて、この先に待つものを思うとあまりにも酷である。「生まれて初めて愛の意味を知った」と、小瀧くんにとってはこれが最初で最後の”愛”なのだ…せつない……
 
2番サビは1番サビと同様に小瀧くんのお嬢様への想いであるが、「命をかける愛なんだ」とやはりこのときには命がけだと気付いている。それでも「これが多分 運命だったんだよ」と小瀧くんが歌うからかなしい。
 
 「君は僕の一部 それでいて全部」この歌詞はすこし解釈が難しかったが、執事にとってお嬢様に仕えることが本来生活の一部であるが、小瀧くんは身分違いで叶わなぬ愛だと自覚していたため、お嬢様に仕えることが小瀧くんにとってすべてで、大げさかもしれないが"生きる希望・光"だったのではないだろうか。
 
Can't stopは小瀧くんとお嬢様が屋敷の扉の鍵を開けるところで終わっているように思う。このあと彼らがどこへ向かうのかはわからないが、狂愛三部作を作詞されたzoppさんがインタビューでこんなことを話されていた。
 

「Can't stop」はエピソード・ゼロ的な、「Criminal」の前日譚を描写していて、「Eternal」では「Criminal」の直後にあたるシーンを題材にしました。伝えたい内容は全て同じで、時系列も「Criminal」から「Eternal」までは半日くらいという設定で、自分の中では“狂愛三部作”と呼んでいます。

 

Can't stopはCriminalの前日譚を描写している、つまりふたりで屋敷を抜け出してから僅か1日で小瀧くんとお嬢様の物語は結末を迎えてしまうのだ…。

 

 コンサートはもちろん、地上波の音楽番組でも披露された楽曲であるが、いずれも2番がカットされたものであるため、フルでのフォーメーション等はわからないが、現時点でわかる限りでは、必ず小瀧くんと照史くんがシンメやツートップか どちらかがセンターというフォーメーションである。この点がゾッとしたし、こうやって物語を作り上げていくのか、とただただ感心した。
 
 
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  Criminal
 
歌:ジャニーズWEST 作詞:zopp 作曲:CHOKKAKU/Takuya Harada/Joakim Bjornberg/Christofer Erixon

火花が散る路地裏 出口のない闇の中
サーチライトから Run Run Run Run Run
君を連れ去って Running away
君のためなら なんだってさ
出来んだ だって 愛は無敵
流れる血を 心配そうに 君がじっと見つめるんだ

心隠して 生きるのは ごめんなんだ わかるだろ?
愛はいつも 命がけ

Dangerous love 乱れた Sweet Criminal
戸惑ってる 暇なんて ないぜ?
Dangerous love 踊ろうぜ All through the night
もう ギリギリ Sweet Criminal
この愛はもう止められない Criminal…

人波をかきわけて ざわめく街を置き去り
掴みかかる腕ほどき
車飛び乗りハイウェイへと
誰も信用なんて出来ないまま
生きてた そうさ 今日までは
君が変えてくれたんだMy girl 誰にも渡さない

後悔なんてない 君なしの 未来なんていらないよ
愛に生きる どこまでも

You're my treasure 狂わす 理性Tonight
彷徨ってる 心よ Good night
You're my treasure 世界が 終わっても
もう 構わない Sweet Criminal
誰にも邪魔はさせない Criminal…

過去は捨てて 君と二人 未来へ

Dangerous love 乱れた Sweet Criminal
戸惑ってる 暇なんてないぜ?
Dangerous love 踊ろうぜ All through the night
さぁ Come on Come on… Come on Come on…!

You're my treasure 狂わす 理性Tonight
彷徨ってる 心よ Good night
You're my treasure 世界が 終わっても
もう 構わない Sweet Criminal
Dangerous love 乱れた Sweet Criminal
戸惑ってる 暇なんて ないぜ?
Dangerous love 踊ろうぜ All through the night
もう ギリギリ Sweet Criminal
この愛はもう止められない Criminal…
誰にも邪魔はさせない Criminal…

 
 
作詞者の言葉から見て取れるように、Can't stopの翌日から始まるCriminal。わたしはCan't stopで主人公だった小瀧くんが、根拠はないがCriminalの主人公でもあるというイメージはなかったため、やはり照史くんに殺されてしまったのだと思った。では、小瀧くんが殺されたのはいつなのか。それこそがCan't stopとCriminalのあいだの、描写されていない空白の1日だろう。
 
所謂駆け落ちをした小瀧くんとお嬢様は見つからないような場所で過ごしていたが、照史くんに居場所を見つけられてしまう。そして小瀧くんが殺されたところからCriminalがはじまるのだろう。愛が深すぎた故、罪が犯されてしまったところから。Criminalのイントロはサイレン音のように聞こえ、一発めぇぇぇぇぇぇぇ!では赤色のライトを基調とした照明だった。
 
1番Aメロの「火花」は小瀧くんの血のことを表していると思う。Criminalの主人公はサーチライトから逃げながら、君を連れ去って走っていく。お嬢様を自分のものにするために。照史くんから逃げるために。
 

ではCriminalの主人公は一体誰なのか。なんとなく、重岡くんだろうなぁとは思っていたが感覚的なもので、わたしの中でそれが確信に変わるのはEternalを聴いてからだったが、主人公は重岡くんだと言われれば、たしかにイントロのダンスから重岡くんが主導権を握っているように見えてくる。

 
「流れる血を   心配そうに   君がじっと見つめるんだ」の血は重岡くんのものだと思う。だって「君のためなら   なんだってさ   できんだ   だって   愛は無敵」なのだから。…そう、重岡くんも実はお嬢様へ好意を寄せていたのだ。お嬢様のためならこんなこともできるんだよ?って自分の腕を切りつけて血を流す重岡くん…あぁこわい。狂ってる。そしてCan't stopと同様、お嬢様の様子は主人公(Criminalでは重岡くん)の主観で描かれている。「心配そうに」とあるが、果たして本当に心配そうだったのか…狂ってる重岡くんにそう見えただけのような気がしてならない。
 
「心隠して   生きるのは   ごめんなんだ わかるだろ?」の裏メロを今一度聴いていただきたい。これは友人と狂愛三部作の話をしていたときに教えてもらい気づいたのだが、「トゥ…トゥ…トゥ…トゥ…トゥルース」と言っているように聞こえる。Truth、つまりBメロは重岡くんの本心。
 
お嬢様が住む屋敷の使用人として仕えている重岡くんもまたお嬢様に好意を寄せていたが、身分違いであること、小瀧くんとお嬢様が両想いであること、そして小瀧くんが照史くんに操られていることも気づいていたのではないだろうか。お嬢様専任執事である小瀧くんより自分は遠い存在であるため、勝ち目はないと必死にお嬢様への気持ちを隠して生きていたが、もうそれは「ごめんなんだ」って。「わかるだろ?」は強要ではなく、お嬢様が小瀧くんを好きだったことに気づいていたからこその言葉だ。気持ちを隠すつらさをお嬢様もわかっているはずだから。そして「愛はいつも   命がけ」からこの愛が命がけだと理解していることがわかる。
 
1番サビの「戸惑ってる 暇なんて ないぜ?」は重岡くんが自分に好意を寄せていることを知って戸惑うお嬢様に向けられた言葉だろう。また「一晩中踊ろうぜ」「この愛はもう止められない」から重岡くんは本気で彼女を自分のモノにしようと思っていることがわかる。
 
 2番Aメロの前半部分の歌詞は、「人波=渦巻く感情」「ざわめく街=うるさい感情」「掴みかかる腕=自分の理性」というように、重岡くんの気持ちの隠喩かとはじめは思っていた。しかし、Eternalに登場する「あいつら」の腕=掴みかかる腕の可能性もある上、このとき重岡くんが自分の理性などと葛藤しているようには思えないため、正直この部分はまだわたしも答えを出せていない。
 
「誰も信用なんて出来ないまま 生きてた そうさ 今日までは」。この「今日までは」がとってもこわい。明日からは誰かを、おそらくお嬢様を信用して生きていくようだが、この日重岡くんはお嬢様を自分のモノに無理やりしようと思っているだけで、そこにお嬢様の意思は存在していない。というかもうこの直後の歌詞「君が変えてくれたんだMy girl 誰にも渡さない」から、この時点で重岡くんの中ではお嬢様が自分のモノになっているのだ…こわ……
 
1番同様、2番BメロでもTruthが聞こえるため「後悔なんてない 君なしの 未来なんていらないよ」もまた重岡くんの本心だろう。「愛に生きる どこまでも」と思うくらいこれまで気持ちを隠して生きていたのだと思うと、少しかなしい気持ちにもなってくるが、そのことがここまで人を狂わせるのか…恐ろしい。
 
2番サビでは「お嬢様は僕の宝物(和訳)」とやはりお嬢様をモノとして捉えていることがわかる上、宝物だなんて…「世界が 終わっても もう 構わない」とあるから重岡くんが手に入れたかったモノはもうすべて手に入れたつもりなのか…(この人やっぱり狂ってるし、重岡くんの理性を狂わすお嬢様はよっぽど魅力的な人なのだろう)
 
2番サビ後の間奏で重岡くんとお嬢様のいる場所へ照史くんがやってきて、重岡くんと照史くんの直接対決!みたいな様子が頭に浮かんだ。そして「さぁ Come on Come on... Come on Come on...!」の直後に銃が発砲されたような音が聞こえるので、重岡くんはお嬢様の目の前で照史くんに撃ち殺されたのだ。もしかすると「過去は捨てて 君と二人 未来へ」は重岡くんではなく、照史くんからお嬢様へ向けられた言葉なのかもしれない。
 
ここで一つ疑問となるのが、このとき重岡くんたちはどこにいたのかということである。歌詞をそのまま読むと車の中になりそうだが、ここも「車飛び乗りハイウェイへと=自分の欲望のままに誰にも邪魔されない場所へ」という隠喩に思えてくる。だから、小瀧くんと同じようにどこかの部屋へお嬢様を連れ去ったのだと思う。
 
Criminalには「戸惑ってる暇なんてないぜ?」の歌詞が計3回登場するが、それはすべて意味合いが違うと思っている。
1回目、1番サビは上述した通り、重岡くんが自分に好意を寄せていると知って戸惑っているお嬢様へ向けられた重岡くんの言葉。2回目、「過去は捨てて 君と二人 未来へ」のあとのは、直接対決!となったときに照史くんから重岡くんへ向けられた所謂挑発文句。3回目、ラスサビのは、目の前で重岡くんが殺されたことへの戸惑いと、この先自分の身に起こる何かを感じて恐怖に怯えているお嬢様へ向けられた照史くんの言葉。もうこのときには、照史くんはお嬢様の腕を掴んで車へと向かっていそう。
 
個人的にCriminalのこわいと思うところは、イントロにもアウトロにも風の音が聞こえる点である。アウトロに至っては、最後に残るのは風の吹く音であり、このあとに続く物語の哀しさや切なさ、こわさといった印象が与えられる。
 
 
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ここまで登場したのは照史くん・小瀧くん・重岡くんの3人。小瀧くんはお嬢様専任執事、重岡くんはお嬢様の住む屋敷に仕える者で2人ともお嬢様に好意を寄せていた。では照史くんは何者なのか?なぜ小瀧くんを操っていたのだろう…?このことに考えを巡らせてみると、ある答えにたどり着いた。照史くんはお嬢様の婚約者、Can't stopに登場する「ヤツ」なのでは…!?
 
狂愛三部作の登場人物は、当てはめられた人の人柄が表れているとわたしは思っている。小瀧くんが操られてしまったのは彼の純粋なところを利用されてしまったからであり、重岡くんがお嬢様を奪って自分のモノにしようとしたのは、関西Jr.時代の彼がセンターを掴み取った姿と重なる。照史くんもまた、その繊細なところをこの狂愛三部作の主人公として描かれたのではないだろうか。
 
きっと小瀧くんとお嬢様が実は両想いであることに照史くんは気づいていた。"俺が婚約者なのになんで?俺はこんなに愛しているのに、俺のことを愛してよ?"そう思った照史くんは、小瀧くんを殺せばお嬢様の気持ちが自分に向くと思ったのでは…。(かなしい)操る力を手に入れた照史くんは、小瀧くんがお嬢様を連れ去るように操り思い通り小瀧くんを殺すことができた。しかし重岡くんの想定外の行動と彼もお嬢様に好意を寄せていると知り、彼も殺すことにした。
 
重岡くんの想定外の行動とは、彼がお嬢様を連れ去ったことだ。きっと照史くんにはお嬢様と小瀧くんしか見えていなくて、同じ屋敷に仕える重岡くんのことは眼中になかったのだろう。照史くん"小瀧くんを殺せばお嬢様の気持ちが自分に向く"と狂った考えを持っている反面、お嬢様のことを誰よりも愛していたため彼女を傷つけるようなことはしなかった。矛盾しているように思うが、照史くんなりの優しさのつもりだったと思うともっとかなしくなる。
 
愛するお嬢様に精神的ショックを与えないためにも、対小瀧くんのときは彼を違う場所へ連れて行きそこで殺した一方、対重岡くんのときは余裕がなくてもうそれどころじゃなかったため、お嬢様の目の前で殺してしまったと思う。対小瀧くんのときも、対重岡くんのときも照史くんには同じ人(お嬢様)へ向けられた愛だけが存在していて、どちらもその結果の行動なのに、愛がここまで人の行動を変えてしまうか…と思うばかり。
 
駆け落ちした2人を見つけた照史くんは小瀧くんだけを違う場所へと連れ出し、お嬢様に見られないように小瀧くんを銃で撃ち殺した。そのときに飛び散った血がCriminalで「火花が散る路地裏」と表現されているのだと思う。しかしその間に照史くんをつけていた重岡くんがお嬢様を連れ去ってしまう。ここからCriminalははじまったのだ。
 
そしてここで、Criminalについて話していた回のラジオを聴きなおしてみたところ、「ストーカー」「拉致」「狂気」という言葉が出てきていた。この解釈にぴったりだ。
 
 
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Eternal
 
歌:ジャニーズWEST 作詞:zopp 作曲:STEVEN LEE/Andreas Stone Johansson

No one "Can't stop" ハイウェイを抜け出し
最果ての街へと 廃屋に潜み All good
魚のように身を寄せ合う Just let it go, Don't you worry

セピアの月に照らされ 震える天使を強く抱いた
君を愛せて 自分になれたよ Gotta go Gotta go my way

愛が止められない 止めたくない
どこにも I can't let you go
輝く未来も涙も 全てくれないか
刹那のKissでも Like a 永遠
終わりじゃ消せない情熱
世界中敵になっても 君を守り抜く
君がいないと Only Eternal Darkness

エンジン音が 近づいてくる
あいつらがやってくる 安息の時は Too short
これが最後の戦いだ Just do it now, I'm ready now

君が隣にいるなら どんな終わりも綺麗だね
後悔なんてない 夜が明けてくよ Gotta go Gotta go my way

命が尽きても また逢える
どこでも I'll be there for you
君は優しく微笑んで 静かにうなずいた
刹那の愛でも It's a 永遠
闇夜じゃ消せない輝き
どんな罪も罰も受ける でも邪魔はさせない I never say goodbye

愛が止められない 止めたくない
どこにも I can't let you go
輝く未来も涙も 全てくれないか
刹那のKissでも Like a 永遠
終わりじゃ消せない情熱
世界中敵になっても 君を守り抜く
君がいないと Only Eternal Darkness

 
 
Criminalの続編となるEternalでは、歌詞の冒頭にCriminalにも出てきた言葉「ハイウェイ」が使われている。これは続編であることを示すのはもちろん、上記した隠喩ではなく、同じハイウェイでも車に乗っている人が重岡くんから照史くんに変わっていることをも示していると思った。Eternalの主人公は言うまでもなく照史くんだ。
 
「最果ての街」や「最後の戦い」「安息の時は Too short」からこのあと命が尽きることがわかる。わたしは、ラスサビ前の照史くんの「Yeah~」がお嬢様を手に入れた(=殺した)喜びの叫び声にしか聞こえなかった。お嬢様のことを「天使」と表現するくらいだから、きっと綺麗なお嬢様の外見を傷つけることはないようにと、照史くんの手で彼女を絞殺したのだろう。
 
そしてはじめに述べた通り、狂愛三部作を考え始めるきっかけとなったアウトロで、照史くんは自ら銃を頭に撃ち自殺する。先に死んだお嬢様の隣で。それが彼にとって綺麗なものだった。また「君がいないと Only Eternal Darkness=君がいないと永遠に闇しか残らない」と言っているにも関わらずお嬢様を殺してしまうのは、照史くんは「命が尽きても また逢える」と思っているためであり、その結果「輝く未来も涙も 全てくれないか」と普通では考えられない恐ろしいことをお嬢様へ問いかけている。
 

 これはEternalについてzoppさんのつぶやきであるが、照史くんが楽園だと思っている世界(心中したあとの世界)は果たして天国か地獄か。わたしは、その世界には照史くんが殺した小瀧くんと重岡くんもいると思うので、どう考えても天国ではないし、この4人が再び同じ世界にいるのなら、狂愛三部作は終わっていないと思う。

Eternalで一番の疑問点は、お嬢様はなぜ「優しく微笑んで   静かにうなずいた」のかということである。これも照史くんの主観ではあるが、もうこのときに自分の死を悟っているであろうお嬢様はなぜ死を受け入れたのだろうか。照史くんから解放されたいから?先に死んでしまった小瀧くんの元へ行きたいから?もう婚約者に愛されて死ぬしかないんだと諦めたから?ここがどうしてもわからない。

 

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 Can't stop、Criminal、Eternalの3曲は「Can't stop lovin' you」「この愛はもう止められない」「愛が止められない」と(表現の仕方は若干異なるが)お嬢様への愛を止めることができない点と、誰にも渡さない(婚約者である照史くんの立場からすると邪魔はさせない)というフレーズがある点において共通している。また、Can't stopとCriminalの「愛はいつも命がけ」「命をかける愛なんだ」はそれぞれ照史くんに自分の命が狙われていることをわかっており、照史くん自身は心中しようと思っているため、Eternalでは前述した通り命がもう尽きることを示す表現がなされている。

 逆に、CriminalとEternalには「後悔なんてない」というフレーズが一字一句違わずに登場していることに対し、Can't stopには「後悔」という言葉すら登場しない。小瀧くんは"お嬢様のためにも"と思って彼女を連れ去ったが、その自分の行動に後悔の気持ちを持ったまま死んでしまったのかと思うと、胸が張り裂けそうになる。

 
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Eternalを聴いてもわたしの想像する物語に登場したのは照史くん・小瀧くん・重岡くんの3人だけだった。どうにかほかのメンバーも登場させることはできないのか、と無理やり当てはめようとしたとき、お嬢様にもだれかを当てはめると(かなり無理な設定だったが)全員登場させることができた。そのときはただなんとなく淳太くん=お嬢様にした。
 
しかし恐ろしいことに淳太くんをお嬢様に当てはめてみた途端、いろいろ繋がったことや新たな疑問が生まれた。
 
これは昨年末放送されたベストアーティスト2015で気づいたのだが、Can't stopのイントロで淳太くんが手を前に伸ばしている。まるで小瀧くんが操られたことに気づいて"やめて…!"とだれかに助けを求めているようだ。
 
しかしそれが助けを求めていないようにも見える。淳太くんにも何か力が宿っているような…。そして狂愛三部作の一番初めの歌詞「Can't stop」を歌うもの淳太くん(=お嬢様)である。なぜかお嬢様はもう止められないことを最初から知っている…こわ……
 
それからCriminalのラスサビの「もうギリギリ」のところで、淳太くんは毎回誘うような仕草をしている。お嬢様がなぜこのタイミングで照史くんを誘っているのか不思議でならない。今映像をみて疑問に思う点はこの2つだが、マルチアングルの映像を観られる機会があれば、ほかにもたくさんあるような気がする。狂愛三部作の真の主人公であり黒幕は淳太くん(お嬢様)の可能性もあるのだ。
 
しかし、もしお嬢様がこの物語の主人公だとすると、何のために照史くんが小瀧くんを操っているように見せかけてこんな真似をしたのか、その動機がさっぱりわからない。あと10日後に控える大阪公演でEternalをはじめて観るため、今はなんとも言えないが、個人的には淳太くんがEternalの鍵を握っていると思っている。そして狂愛三部作の鍵も。
 
 
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もともとは3月の大阪公演に参加し、Eternalを自分の目で見て・感じてすべての答えを出してから深読み記事を書こうとしていたが、今一番綺麗に繋がっている内容からまた違う内容へと変わる気がしたため、今のわたしの頭の中を先に残しておくことにした。ほかにもいろいろな説を提唱しているのだが、それも踏まえて10日後にEternalの世界に酔いしれたい。
 
 
この記事は、あくまでわたしなりの現時点での解釈です。また、一番綺麗に繋がったと言っても、感覚的なものなので伝わらなかったところも多々あるかと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございました!

流星くんの10000字インタビューを読んで。

流星くんの10000字を読んだときのこの気持ちをほったらかしておいて、あとあと「残しておけばよかったなぁ…」と思わないためのもの。
うだうだと書いていくだけだから読んでも得することはなにひとつありません。
ほかの方の感想を読んでしまうと少なからずその影響を受けてしまうので、読む前の、流星くんのファンの一人が書く、ただのじぶんの気持ちの記録です。


はじめに、わたしが流星くんに出会ったのは2013年9月頃のことで、関西ローカル番組「OH!ソレ!み〜よ!」で重岡さんを知ったのがきっかけ。その後すぐに7WESTを知り藤井流星くんのことを知ったが、なにも知らない流星くんの第一印象は"苦手な人"だったから人生なにがあるかわからないなぁと思う。

わたしが流星くんのことを知る2013年9月以前のことは、流星くんを知ってから調べたりして記憶しているエピソードもあったりはするが、実際にじぶんで見てきたわけではないので発言できることはない。じぶんの想像で話してしまうのはあまりよくないしね。

と言ってしまうと、わたしがここに記録できる言葉なんてほとんどなくて困ったもんだ(笑)


長かった前置きはこれでおしまいにして、流星くんの10000字はこれまででいちばんスッと入ってきたと思う。どんな気持ちで読みはじめるのがいいかわからず「無」でページを開いて…流星くんの言葉は気張っていなくて、すなおな気持ちを伝えてくれることがほとんどだと思っているから、すぐにほっこりとした気持ちになれた。

4人から"ゴメンな"ってメールが来てどう思った?と聞かれ「何、考えたんやろなあ」が第一声だった流星くん。じぶんのことではないように語りはじめていて。もう忘れてしまったのかな…と。苦い思い出として、忘れようとしたのではなくて。

「とりあえず、目の前に両親おるから、放送で流れる前に言っとかなと思って」
すごい人だなぁと。その「言っとかな」はどこから来るんだろうと思った。わたしだったらどうしてたか…と考えてみたが、わたしだったら言えない。そして、言えないよねぇ、と思いながら神山くんの10000字を読んだ記憶があったから神山くんのを読み返してみたところ「言えるわけなくて」の言葉が。言える 言えない ではなく「言っとかな」となる流星くん、ここからも流星くんのココロの強さを感じた。

「ふたりとも、俺をアゲすぎなんすよ(笑)」
今回の10000字インタビューの核は、7人にこだわり続けた重岡さんと、あきらめなかった流星くんだとわたしは思っていて。この言葉を読んで、流星くんだなぁと思った。実に謙虚な人だと思うけれど、流星くん自身はそんな風には思わず「過程があって」と語りはじめた。すぐにジャニーさんに電話をしようと思ったこと、状況を把握してからの方がいいと思い優馬に電話をしたこと、優馬に「今すぐ電話かけろ!」と言われ結局なにも状況を把握しないまま電話をしたこと、「もうこれ、終わったな」って一瞬思ったこと。
悩むよりも先に、自分の意思を伝えな!と行動に出られる流星くんを尊敬する。やっぱりすごい。そう簡単にできない。そして優馬くんはどれほどすてきな人なんだろうと思った。流星くんがジャニーさんに電話したあと報告のために優馬くんに電話をかけなおしたら「絶対いける!100パーいける!」と言いきった優馬くん。自分のことのように流星くんを急かし、力強く背中を押していて…。一瞬あきらめた流星くんのスイッチを入れてくれてた。彼には ありがとう では伝えきれないくらい大きな感謝しかない。流星くんと優馬くんの絆というか信頼関係を感じた。本当にありがとう。

流星くんが賭けをしていたことは知らなかった。その賭けをしてなかったり、もし2012年9月の日生の舞台に立てていなかったら、わたしが流星くんに出会うこともなかった…なんて考えるとこわい。当時から流星くんを応援していた方々にとっては それはやめて という話ではあるけれど、自分のビジョンをしっかりと持っていてそのために自ら賭けをした流星くんがやっぱりかっこいい。

「やっぱ俺じゃないんですよね、最初からずっとあきらめなかったのは。俺じゃない。断トツであきらめてなかったの、しげなんですよね」
ここまではうるうるしそうになりつつも比較的冷静に読めていたけれど、涙が溢れ出した瞬間で。なんで泣いたか、どんな気持ちになったか、とかは今は言葉にできない。重岡さんと流星くんの関係性がだいすきで、だいすきだって言い続けてきた人間だから…。
「俺をアゲすぎなんすよ(笑)」の言葉は、流星くんの近くで動いてくれていた重岡さんの姿があるからというのがやっぱりあるんだと思ったし、優馬くんの言葉でスイッチが入ったあとその重岡さんの姿に支えられていたところもあるのかな、なんて。想像で話してしまって申し訳ない。

「いろんな想いがありすぎて、パッと言葉ではうまく表現できない」
唯一この言葉だけ、素直に受け取れない自分がいた。いろんな想いがありすぎてパッと言葉ではうまく表現できないのは本当なんだと思ったけれど、この想いは流星くんのココロの中にしまっておきたいという気持ちもあるんじゃないかなぁと。流星くんがついた"しあわせな嘘"に思った。
この言葉を受けて、冒頭の「何、考えたんやろなあ」も"しあわせな嘘"だったりするのかなぁと。忘れたわけではなくて、そのときの気持ちはもうこころにしまっているのかなぁと。だから なぜ7人でのデビューにこだわったか も流星くんがいつか言葉で表現できるようになっても、語られなくてもいいと思った。わたしが知りたかったことのひとつだが、それよりもしあわせなことを教えてもらえた気がした。温かい気持ちになれた。大切な流星くんの気持ちは、流星くんの胸にしまっていてほしいと思った。わたしが歪んでいるだけだという意見は否定できないが…。


流星くんはよく「みなさんのおかげ」と言ってくれる。10000字を読んで、本当に流星くんは家族や友達、ファンに支えられているということを感じながら生きているんだなぁと。ただ、支えてくれている、応援してくれている家族がいるから、友達がいるから、ファンがいるから、その想いだけであきらめない気持ちが在り続けることはできるのか…と思った。流星くんだからこそ、とも思った部分はあるけれど。流星くんを突き動かすもの…答えをただのファンであるわたしが知ることができる・できないは別として、わたしの中ではまだ答えは見つかっていない。

ますます流星くんをすきになった10000字インタビューだった。流星くんをすきでいられることがしあわせに感じる。これからも藤井流星くんを応援していきたい。