星をめざして

たぶんね キミは本当は パーフェクトなスター

《続》狂愛三部作を深読みしてみた。

「Can't stop」「Criminal」「Eternal」、この3つの楽曲からなる『狂愛三部作』を深読みしてみよう企画第2弾!続編となる今回はシェイクスピアによる戯曲ロミオとジュリエット』×『狂愛三部作』をテーマに考察し、前回あまりできなかったEternalの解釈を深めようというものである。

 

 第1弾はこちら↓よりご覧ください。

umi23.hatenablog.com

 

※なお、第1弾・第2弾ともに個人の妄想であり、この楽曲を作詞されたzoppさんや、登場人物となるジャニーズWEST、後に登場する宝塚歌劇団とは一切関係ございません。

※第1弾同様、登場人物(ジャニーズWEST)のだれかが死ぬ・殺すという内容にもなりますので、気分を害する可能性がございます。ご了承ください。

 

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まず始めに、なぜ『ロミオとジュリエット』×『狂愛三部作』で考察するのかであるが、

 『ロミオとジュリエット』が好きなこともあり、同じNEWSの「ベサメ・ムーチョ~狂おしいボレロ~」やジャニーズWESTの「Criminal」といったものも書いています。男女の許されない恋や、強引に2人で逃げ出すものも好きですね。(出典:http://realsound.jp/2015/05/post-3154_2.html

 と作詞されたzoppさん自身がインタビューにて話されていたからである。正直、このインタビューが掲載されたのは2015年5月なので、なぜ第1弾を書く前に読まなかった!!!と深く反省したのだが、それ以上に『ロミオとジュリエット』に少なからず影響されて書かれた楽曲という事実に衝撃を受けた。Criminalの前日譚となるCan't stopも、続編となるEternalもこの『ロミオとジュリエット』の影響を受けて書かれ、やはり『狂愛三部作』でひとつの物語だった。zoppさんがどれだけ『ロミオとジュリエット』の世界観を取り入れたのかはわからないが、この事実も踏まえて一部解釈しなおしたCriminalまで7人の境遇をおさらいした後、Eternalの深読みをしていこう。

 

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小瀧くん

 Can't stopの主人公。『ロミオとジュリエット』におけるティボルト。お嬢様が好きだが、お嬢様の専任執事であるためどうしても許されない恋である。小さいころからいつも傍で恋心を抱きながらも大切に見守っていた。(※ティボルト要素を取り入れると、お嬢様のいとこ。執事の場合と関係性が違うだけで、小さいころから傍で見守ってきたことに変わりはない。それもありだと思うし、どちらの場合でも小瀧くんがとにかく切ない)。 “お嬢様には幸せになってもらいたい”の一心で照史くんの言いなりになったフリをし、自らの死を覚悟の上でお嬢様と駆け落ちを試みる。しかしCan't stopのアウトロで屋敷を抜け出した数時間後に重岡くんによって見つけられ殺されてしまう。続くCriminalの冒頭歌詞「火花」は小瀧くんの血の隠語だと思われる。この物語に登場する人物の中で、唯一自分の行動に後悔している人。

 

照史くん

ロミオとジュリエット』におけるパリス伯爵。Can't stopの歌詞に登場する「ヤツ」でお嬢様の婚約者であるが、お嬢様に好意を抱かれていないことは自覚している。人一倍、繊細かつ他人の感情に敏感。どんな方法を使ってでもお嬢様の気持ちを自分に向けさせようとするため、Can't stopでは小瀧くんを操った(小瀧くんに途中で気づかれたことにも気づいていた)。Criminalではお嬢様をさらった重岡くんを追いかけているが、彼らの元へたどり着いてすぐ銃で撃たれる(命に別状はない)。いちばんわかりやすい狂った愛の持ち主。

 

重岡くん

Criminalの主人公。『ロミオとジュリエット』におけるロミオ。お嬢様のことが好き。お嬢様との関係性は不明だが、両想いではなかったような気がしている。きっと平和主義だったはずなのに、お嬢様に恋心を抱くようになってから狂ってしまった。自分の腕を自ら切りつけて血を流し「君のためならなんだって出来るんだよ?」とお嬢様に言える人。圧倒的ホラー。圧倒的狂愛。お嬢様を連れて逃亡中のCriminalで「誰にも邪魔はさせない」と言っているおり、以前から重岡くんはタイミングを見計らってお嬢様を連れ出し、無理心中するつもりだったような気がしている。

  

神山くん濵田くん

第1弾の深読みではずっと登場しなかったが、『ロミオとジュリエット』の影響を受けていると知った瞬間Eternalのこの場面を思い浮かべ、ふたりが愛と死だと思った。

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もともと狂愛三部作で神山くんと濵田くんの立ち位置シンメ率が高めであるため、ふたりをセットとして考えており、Eternalで「You are my everything, so baby love me so」つまり「君は僕のすべてだよ、だから同じように君も僕を愛して」と歌う神山くんを『ロミオとジュリエット宝塚歌劇団版オリジナルとなる愛とし、濵田くんを『ロミオとジュリエット』における死とした。神山くんの愛、濵田くんの死を見たいというただの願望も含まれている(小声)。すると上記の画像では、死が愛の手を覆うように掴み、最期のときが近づいていることを暗示をしているように思えてくる。

 

流星くん

正直、流星くんはだれにも当てはまらないとわたしは思う。強いて言えば死であるが、それは濵田くんのほうがしっくりくる。でも死の要素は持ち合わせているため、

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Criminalの2番サビV字のフォーメーションはトップにいる愛(神山くん)の背後から迫る死(濵田くん・流星くん)の図に見えた。また、流星くんはEternal冒頭のコーラスで「This is the story of love…」と片手でハートを半分だけ作りながら歌っているため、きっとこの時点で結末を知っている(結末が見えている)のだと思う。というか、流星くんはずっと狂愛三部作の物語を俯瞰しており、最初から結末がわかっているような気がしている。

 

淳太くん
『狂愛三部作』の歌詞に登場する「君」、つまりお嬢様。しかし個人的には『ロミオとジュリエット』におけるジュリエットのイメージが一切なく、物語の黒幕だと思っている。この物語の鍵となる人物でもある。物語のいちばん最初の歌詞「Can't stop」とラスサビ前の「No one can stop me」を歌うのが淳太くんであることには何か意図を感じるし、お嬢様も最初から結末はわかっていたの?何を止められなかったの?何が止められなかったの?何のためにこんなことをしたの?結局何がしたかったの?と次々に疑問が浮かんでくるばかり。主人公目線のみで描写されているため、お嬢様の本当の感情は不明である。個人的には小瀧くんに惹かれていた気がしていたが、今となって正直よくわからない。

 

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Eternal

主人公は重岡くん。第1弾ではCriminalで死んだと思っていた重岡くんがEternalでも生きていたため、照史くんではないと判断した。ここが前回からの大きな変更点。Criminalの「Come on Come on…!」の直後、銃声のようにも聞き取れる音のタイミングで咄嗟に照史くんを撃ち、お嬢様の手首を掴んで逃げる重岡くんの姿が思い浮かんだ。そのまま車に乗って「最果ての街へと」たどり着いたところで、Eternalが始まるのだろう。2番に登場する「あいつら」は照史くんとその家来たちで、歌詞にもあるように「最後の戦い」が描かれている。

 

Eternalの重岡くんを見ていると、彼は孤独だったのかな?と思うときがあるのだが「君を愛せて 自分になれたよ」という歌詞は、その孤独から解放されたことも意味しているような気がしてくる。その上、Criminalでは「愛は止められない」だったのに、Eternalでは「愛が止められない 止めたくない」と重岡くんの願望まで表れてきており、僅か数時間のあいだに想いがどんどん大きくなっていることもがわかって切なくなってくる。愛と死、どちらの属性かと言われると、きっと重岡くんは愛属性。愛と死は紙一重のため、愛が過ぎて狂ってしまった故に死に侵されてきたが、本来は愛のひとなのだと思う。だから「どこにも君を行かせない」「輝く未来も涙も 全てくれないか」と、もはやホラーな思考のせいで「世界中敵になっても 君を守り抜く」も死属性の発言に見えてきてしまうが、これも重岡くんなりの精一杯の愛情だとしたら… きっと不器用なんだなぁ… となぜか感情移入してしまうから恐ろしい。でも、また逢えると信じて疑わないけど一旦はこれが最後だと思って震える天使(お嬢様)を強く抱いた重岡くんとか絶妙な切なさで最高じゃない…???

 

また、第1弾でも書いた上Twitterでも何度もつぶやいているが、やはり2番サビ「君は優しく微笑んで 静かにうなずいた」の意味をどうしても読み取ることができない。重岡くんの主観であるため、実際は怯えた表情で仕方なくうなずいたのに、重岡くんの瞳には優しく微笑んでいるように映った可能性もある。だからお嬢様はこのときどんな感情でいたのかがわからず、この歌詞の意味の取り方によって解釈の方向性が変わってくる。ただ、関係あるのかはわからないが「君は優しく微笑んで 静かにうなずいた」に対応する1番サビは「輝く未来も涙も 全てくれないか」であるため、死の要素が強い言葉なのかなと思ったりもする。

 

そしていちばん最後では7人が横並びで天に向かって手を伸ばし、そして手のひらを裏返しゆっくり手を下ろす振り付けがある(2016年3月2日放送の少クラでご確認ください)。

しかし映像化されたコンサートでのその場面では、重岡くんはゆっくりと・やさしく、だけど力強く手を握りしめ、何かを掴んだように見える。

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DVDに収録された公演だけ偶然やっていた可能性や、映されていないほかの6人も同じように手を握りしめていた可能性はあるため断言はできない。だが、わたしは重岡くんが意図的に何かを手に入れたことを示したような気がしてならない。何を手に入れたんだろう?お嬢様?と思い何度も繰り返し見ていたら、握りしめる前に一度ふわっと閉じた手が、今まで手のひらにあったものが失くなってしまったように見えてきた。幻想を手放したようにも見えてくる。どういうことなのだろう。お嬢様の死?ここまでの話すべてがただの夢で、夢から醒めただけ?考えれば考えるほどわからなくなる。

 

ただ、この直後に重岡くんは照史くんを殺したと思われる。

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少しわかりにくいが、特攻に合わせて照史くん(画像:右から3番目)だけが両手を横に広げ身体で十字架を作って、撃たれているように見える。ラッキィィィィィィィ7でわたしが入った4公演では毎回十字架を作っていたので意図的であると思う。また、『ロミオとジュリエット』に基づいてもパリス伯爵はロミオに殺されることになるため、重岡くんに殺された説が濃厚かなと思っている。

 

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これまでの2曲と最も違うとわたしが思うところは、立ち位置からの深読みがしやすいことである。去年の3月24日に初めてEternalを見たときから、立ち位置シンメの相手がほぼ固定だった印象があった。照史くん淳太くん、神山くん濵田くん、流星くん小瀧くん、そしてセンターの重岡くん。今改めて映像を見ると、照史くん淳太くんの立ち位置シンメ率が異常である。秒数を計測して割合を出してみたところ、Eternalでの照史くんと淳太くんの立ち位置シンメ率は驚異の80%だった(175秒/220秒)。箇所で言うと、イントロ・2番サビ後からラスサビ「愛が止められない 止めたくない」までのたった2箇所。何か意図があるとしか思えない。

 

では照史くんと淳太くんが立ち位置シンメでないときどうなっているのか。 その場合、照史くん:センターまたは小瀧くんと立ち位置シンメ、淳太くん:センターまたは重岡くんと立ち位置シンメ となっており、この場合はCan't stop、Criminalからの繋がりを感じずにはいられなかった。それに加え、照史くんと淳太くんが立ち位置シンメかつ隣同士になることは一度もない。唯一隣になるのは、照史くんが「Yeahーーーーー!」と叫ぶ前後の僅か15秒ほどで、そのとき照史くんの隣(正確には両斜め前)にいるのは重岡くんと淳太くん(お嬢様)。一体何があったのだろう。

 

そしてその照史くんの「Yeahーーーーー!」という叫び声、歌詞カードに載っていないのに叫びに込められた何かが大きすぎるように感じ、叫び声の示す意味がどうしても気になったため、zoppさんにお伺いしてみたところ「叫び声は僕の指示ではありません。きっとご本人の判断か、ディレクターの指示かと思います( ´ ▽ ` )」とお返事を頂いた。結局叫び声の意味はわからないままだが、ヒャーーーーーーー!!!!なんで叫んだの!!!!!!照史くんは物語のいちばん最後に死ぬじゃん!!!!!!!!!

 

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結局どういう内容の物語だったの?最後どうなったの?と聞かれれば、わたしにもわからない。ラッキィィィィィィィ7のEternalを元にすると、小瀧くんと照史くんが重岡くんに殺されてしまうことは確かだと思っているが、それ以外はわからないなりに深読みしているだけだ。やはり鍵となるのはお嬢様で、お嬢様の感情がわからない限りはこれ以上深読みできないと思った。zoppさんが「いつかスピンオフを作ります!気長に待っていてください!」と仰っていたので、お嬢様目線で描かれるといいなあ…と密かに願いつつ、その「いつか」を気長に待っていたい。ここまで歌詞の世界観に入り込んだ楽曲は初めてだったが、作詞することの凄さを感じたし、信じられないほど楽しかった。しかし頭を悩ませすぎて疲れてしまったため、今回をもって深読みは一旦休止しようと思う。

 

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ただのおたくによる酷い妄想でしたが、楽しみにしていてくださった方、最後まで読んでくださった方、わたしの深読みを好きだと言ってくださった方、本当にありがとうございました!楽しかった〜〜〜〜〜〜〜!!!

 

 

*2020年4月21日追記

3年間、狂愛三部作の深読みから意識的に離れ、冷静な思考を取り戻した上で改めて考えはじめたところ、Eternalの主人公はあきとくんだと思いました。第2弾(今作)ではなく、第1弾(前作)に書いた物語の流れが、現在の考えに近いと思っていただければ幸いです。

今後、わたしなりの深読み完結編として改めて記事を書いていきたいと考えています…。